急死次男は“音楽の良き相方” 父・北島三郎の「塞翁が馬」

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「正月にね、会った時は、お互い体に気をつけて頑張ろうやって励まし合ったんだけどなあ」

■手土産を買ってきては音楽話に花を咲かせ

 悲報を電話で伝えられた時も言葉を失い、「何とも答えようがなかった」と振り返った北島。思い出すのは自宅の玄関を開けて「親父、焼き鳥買ってきたよ」「このカツがうまいんだ」「このジャンパー、親父に似合うと思うよ」と元気よく帰ってくる姿。手土産を買ってきては、音楽話に花を咲かせていたという。

 記者会見はホテルの最上階で行われた。この会場は競馬関係の祝勝パーティーなどでよく利用していたという。

 2013年には出場50回を機にNHK紅白を引退。歌手活動は徐々に縮小する中、14年には実弟で北島音楽事務所常務取締役だった大野拓克さんが67歳で逝去する不幸にも見舞われた。そんな中、愛馬のキタサンブラックが大活躍し、昨年末の有馬記念では有終の美を飾った。

「人間万事塞翁が馬」――。

 幸福や不幸は予想のしようがないことを例えた中国の故事だが、取材後も喪服の左腕をスタッフに支えられ、今にも倒れそうなほど憔悴していた北島。親として子に先に旅立たれる不幸ほどつらいものはない。この日、家族葬で通夜が営まれ、8日、告別式が行われるが、やりきれない思いでいっぱいだろう。

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