片岡仁左衛門の一世一代 「絵本合法衢」で魅せる悪の美学

公開日: 更新日:

 今年は、久しぶりに仁左衛門・玉三郎コンビが復活し、3月は南北の「於染久松色読販」が上演された。2人ともヨレヨレになってまで役にしがみつくタイプではないので、南北ものを演じられるのもあと数年だろう。真面目過ぎて息苦しくなっている歌舞伎座に、「悪の美学の華」を2人でもう1回満開にさせ、退廃・爛熟も歌舞伎の魅力だと再発見させてほしい。

 昼の部は尾上菊五郎の「裏表先代萩」で、こちらも菊五郎が2人の悪人を演じている。もうひとつが真山青果原作の「西郷と勝」で、尾上松緑が西郷、中村錦之助が勝を演じる。真山青果の3部作「江戸城総攻」の中から、西郷と勝の場面を取り出して1時間ほどに再構成したものだが、後半は西郷がひとりで長々と演説していて、芝居として退屈だった。劇の構成上のバランスが悪い。

(作家・中川右介)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網