• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

片岡仁左衛門の一世一代 「絵本合法衢」で魅せる悪の美学

〈一世一代〉というと、〈一生に一度くらいの、すごいこと〉という意味で使われるが、本来は〈その役の演じ納め〉という興行用語だ。今月の歌舞伎座では片岡仁左衛門が「絵本合法衢」を一世一代と銘打って演じている。

 役者の中には当たり役を、ヨレヨレになりセリフが覚束なくなっても演じ続ける人もいれば、体力的、容姿的に限界を感じたところで演じ納めとする人もいる。それぞれに美学があるが、仁左衛門は後者だ。

「絵本合法衢」での仁左衛門は2人の悪人を演じ、登場人物のほとんどを殺しまくる。歌舞伎での殺人は、やむにやまれぬ殺人とか、はずみで殺してしまったとか、殺した後で悔いたりとか、殺す側に同情の余地があるのだが、この芝居での仁左衛門の役は徹底的な悪人だ。

 それなのに、仁左衛門が殺すたびに拍手してしまうわけで、仁左衛門の「悪の美学」には、観客も共犯関係に導くだけの魅力がある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    進学説の真偽は…金足農・吉田輝星めぐるプロ争奪戦の内幕

  2. 2

    森達也氏が危惧 オウム以降の日本社会は「集団化」が加速

  3. 3

    逸材ゴロゴロ 夏の甲子園“契約金1億円”ドラ1候補7人の名前

  4. 4

    翁長氏が後継指名 玉城氏出馬でどうなる沖縄知事選の行方

  5. 5

    キムタクは“御一行”で…被災地を単身訪れた斎藤工との差

  6. 6

    地元は必死に寄付金集め 金足農“想定外”快進撃の舞台側

  7. 7

    元大リーガー・マック鈴木さん 酒豪ゆえに付いたアダ名は

  8. 8

    黄金世代が上位独占も…評論家が女子ツアーの現状憂うワケ

  9. 9

    二軍で“塩漬け”の巨人ゲレーロ 古巣中日勢に漏らした本音

  10. 10

    大激怒から落胆へ…爆問・太田“裏口入学”報道の複雑胸中

もっと見る