著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

浅利演出事務所「李香蘭」 時代経てさらに深化した反戦劇

公開日: 更新日:

 舞台は軍人の横暴・謀略、日本による侵略戦争の真実を余すところなく伝えていく。

「悲劇が繰り返された“昭和”という時代を、決して風化させてはいけない。あの戦争の悲劇を語り継ぐ責任が僕にはある」とは浅利慶太氏の弁。

 戦争を体験した自民党の長老たちが声をそろえて安倍政治に警鐘を鳴らしたが、「保守派」と目された浅利氏の健全な反戦意識は焼け跡闇市世代の矜持にほかならない。「李香蘭」は安倍首相がもくろむ改憲策動に対する強烈な「カウンター」ともいえる。

 野村の透明感ある演技・歌声が李香蘭の悲しみをよく表現していた。音楽は三木たかし。22日まで浜松町・自由劇場。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い