著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

昨年の10倍増…悪質な「あおり運転」はやる民度なき社会

公開日: 更新日:

 房総半島の鴨川の町から心地いい海風に追いたてられるまま、少し山あいに上がると、あちこちに棚田が広がっている。その一区画、我が友人が所有する共同水田に助監督たちと一緒に「田植え」の手伝いに行ってきた。泥田に足を突っ込んで、皆で一列に並んで、一斉に苗を植えつけるのが、こんなにすがすがしいものなのか、久しぶりに「労働」を体験した。夕方、海辺に戻って、温泉ホテルの大浴場に飛び込むとたまっていたストレスが一気に消えるのだった。この秋には、実る稲を刈りに行くつもりだ。

 せっかく、労働して飲んで食べて一晩気分よく過ごしたのに、朝になれば、いや応なしに嫌なニュースが次から次とテレビから吐き出される。なんで、こんな現実に戻らなければならないのと思った。「あおり運転」をしたバカなドライバーに対する免許停止処分が、今年は4月までにもう18件もあって、去年の10倍のペースで増えているというのだ。道交法では、今後、それで事故を起こす可能性がある男(まず女性にはいないはずだが)は免許停止にすると規定したのだが、そんな道交法などはなからお構いなしのありさまだ。去年6月のあの痛ましい東名高速の夫婦の(殺人事件に等しい)死亡事故から「あおり運転」対策の声が高まって、その規定を全国の警察に指示していたが、そんなことは知ったことかと逆に「あおり」をはやらせてしまってるのだ。どこまで民度のない社会なんだろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大はヤンキースに未練タラタラ…「一途な200勝男」は復帰願望を周囲にこぼしていた

  2. 2

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 3

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…

  4. 4

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  5. 5

    高市早苗氏は頼みの党員・党友支持に急ブレーキで決戦シナリオ破綻…陣営が迫られる「地獄の選択」

  1. 6

    不世出のストライカー釜本邦茂さんが草葉の陰から鹿島18歳FWの「代表入り」をアドバイス

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”都議に「免許不携帯」疑惑 日刊ゲンダイの直撃にブチ切れ!【動画あり】

  3. 8

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  4. 9

    そうだ、風邪をひけばいいんだ!減量に行き詰まった末、裸同然で極寒の庭へ飛び出した

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇