仮面ライダーに出演 勝村政信「ブレークを狙っています」
蜷川幸雄作・演出の舞台「作品たち」(1985年)で役者デビュー。蜷川氏の劇団に所属していた当時は、「とにかく稽古がきつくて、苦行とさえ思っていました。本番を終えて体はヘトヘトなのに酒を飲まないと眠れない。四六時中テンションを上げているので気持ちを緩める必要があったんです。だから、酒が強いわけでもないのに役者仲間と毎晩のようにごりごり飲んでましたね」。
その後所属した劇団「第三舞台」でも着実に経験を積み、30歳の大台に乗った年、ロンドンで発表され大ヒットした冒険音楽劇「ウィンド・イン・ザ・ウィロー」(アラン・ベネット脚本)の日本公演で、準主役のモグラ役に起用された。
「男30にしてモグラの役が来るとは思ってもみませんでした(笑い)。今回のライダー役もそうですが、お話をいただく役柄ひとつとっても、自分が想像できることなんて限られている。いろいろな人と出会って、転がってきた役者人生。振り幅の広い役に恵まれました。これからも、想像を超えるような役と作品に巡り合いたい」
インタビューでもわざとらしい見せ場をつくらない。静かに強い覚悟を感じさせるタイプだ。
(取材・文 小川泰加)