鈴木唯人 熱望した名門校入学を2度も保留された男が日本代表に上り詰めるまで
今季ドイツ1部参戦1年目で24試合4得点2アシストと結果を出し、3月の英国遠征では2試合連続出場。16日の欧州EL・セルタ戦で2ゴールを叩き込み、クラブのEL4強入りの原動力にもなった。W杯メンバー入りに向けて上々アピール中の鈴木の高校時代の恩師を直撃した──。
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──市船入りの経緯は?
「実はスカウトではなくて、向こうから『どうしても市船に行きたい』と熱っぽく訴えてきた。でも僕に見る目がなかったのか、返事を2回、保留しました。『悪くはないが、もうひとつ、何かないかな? 心を揺さぶるような爆発的なインパクトがない』というのが正直な感想でした。でも市船に対して情熱のある子を他校に行かせてはいけないと思いました」
──最初からスター選手だったわけではない。
「1年の時はAチームに入っていなかった。先輩たちを突き抜けるほどのずうずうしさはなかった。普段は感情を表に出しませんが、秘めた闘争心や負けん気の強さもあり、センスの良さも間違いなかった。高度な技術とひらめき、アイデアも持ち合わせていたし、『ちゃんと育てていこう』と感じていました」
──高2から存在感を発揮するようになった。
「日本高校選抜の監督を任せてもらえることになり、唯人をメンバー入りさせてドイツ・デュッセルドルフでの国際大会に参加したことが(存在感発揮の)きっかけになりました。今と同じ攻撃的MFでプレーしていましたが、『どんどん縦パスを引き出せ』と口を酸っぱくして教えた。もともとライン間でボールを受けて自然体で前を向けるのが強み。高校時代の積み重ねが、今に生きていたらすごくうれしいです」


















