小さんは訥々としゃべっているようで最後までちゃんと計算

公開日: 更新日:

 先代小さんは古典落語の名人として人間国宝になったが、実は新作落語も演じていた。

「山田洋次監督の『男はつらいよ・奮闘篇』に出演したのがご縁で親しくなり、監督がつくって下さったんです。『真二つ』『頓馬の使者』『目玉』の3席で、『真二つ』では芸術祭奨励賞を頂いてます」

 山田監督は落語に造詣が深いことでも知られている。

「監督とは何度も打ち合わせをして、話し合いながらつくり上げたそうです。新作落語にも意欲的だったんですね」

 そういえば、小さんは古典落語の中に現代的なくすぐりを入れていた。

「『かぼちゃ屋』で与太郎が『ライスカレーはさじで食う』と言ったり、『長屋の花見』にサイダーの口金が出てきたり、当時としては斬新なくすぐりですよね」

 花緑が古典に現代的なくすぐりを入れたり、「同時代落語」と称する新作を演じるのも、小さんのDNAを受け継いだからなのだろう。

「本来、新作は自分で書いて演じるものだと思います。でも、僕はそれができない。だったら作家に頼むしかない」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い