二十歳の誕生日…たったひとつの“おめでとう”が欲しかった

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新田恵利編<8>

 おニャン子クラブの卒業は基本、スタッフが決めていた。私は18歳のとき。

「新田、次のコンサートで卒業な」

 まさに天の声だ。高校を卒業し、母と兄と共に上京した年の夏休みのコンサートで全国をまわり、東京の最後の公演を秋にすることになった。「夕やけニャンニャン」から離れることに寂しさは感じなかったけれど、仲の良いメンバーと離れるのはつらい。番組スタートから、家族より多くの時間を共に過ごしたメンバーは、かけがえのない存在になっていた。そして、その番組も終わってしまうと聞いた時はショックだった。初めて寂しさを感じた。もう帰る場所がなくなっちゃったようで、不安が胸を突き上げる。

 アイドルタレントは、運よく売れても、その寿命は短い。応援してくれた人々も飽き、人気は下火になる。今でこそ、バラドルとかママドルとか、元アイドルのゆく選択肢は多いけれども、当時は女優という道くらいだ。

「女優さんはね~、待つのも仕事」とか、「脱ぐ覚悟がないと駄目」などと、事務所のお局スタッフに常日頃から言われていた。女優にも脱がない道があるとは考えられなかった私はおばかだったのか、幼かったのか。

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