クロキタダユキ
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クロキタダユキ

戦慄の絆(1988年、カナダ)

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 産婦人科医のエリオットとビヴァリーは、一卵性双生児で、幼いころから女性の体に興味がある。そこに奇妙な子宮を持った女優クレアが受診。それまで人生のすべてを共有してきた、兄弟のバランスは崩れ、思わぬ悲劇が動き出す。

 モダンホラーの鬼才デビッド・クローネンバーグは、双子の医師が折り重なって死亡した変死事件をベースに、誰しもが抱える孤独と疎外感に鋭くメスを入れる。

 細部まで丁寧な描写で、ゴシック調アートを見るかのような錯覚に。優美なメロディーが重なって、異様な快楽が見る者をどっぷりと禁断の世界に落とし込む。真っ赤な血のような手術着やペニスのような手術器具、医療用ゴムバンドを用いたSMまがいのセックスシーン……。深層心理に潜む危険な欲望が刺激される。

 1人2役で兄弟を演じたのは、英国俳優ジェレミー・アイアンズ。“人の心のもろさ”を見事に演じ切った彼は高評価を得て、本作の2年後オスカーに輝く。その受賞スピーチで、監督への謝意を述べたほどで、その後の演技に大きな影響を与えている。

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