著者のコラム一覧
クロキタダユキ

セブン・サイコパス(2012年、英国)

公開日: 更新日:

 雑談していたマフィアの子分2人が突然、背後から銃殺され……。危険なシーンで始まるクライムコメディーは、タイトル通りのサイコパスの連中が複雑に絡む。

 締め切りに追われたアル中の映画脚本家マーティを助けようと、友人で役者のビリーは新聞に「サイコパス募集」の広告を出す。それが、新作「セブン・サイコパス」の脚本作りのサポートだったりする。

 ビリーの知人の老人ハンスは犬泥棒で、飼い主が困っているのを見計らって犬を届け、謝礼のカネをもらって稼ぐ。ある時、盗んだ犬がマフィアのボスの愛犬で、マーティたちも騒動に巻き込まれるハメに。マフィアに妻を殺されたハンスが逃亡する車中でボソッと呟いた言葉だ。

 ドタバタ系のコメディーではなく、人間の内なる葛藤や苦悩、社会へのストレスをサイコパスという形式で浮き彫りにする。とっぴなキャラクター設定と殺人をいとわない大胆な行動表現が、見る人の笑いを乾いた笑いに変換するのは、好き嫌いが分かれるところ。

 でも、誰しも心の中に持つ悪への衝動をポップに爆発させるようなシーンの連続は、スランプ状態の人が見るとスッキリするはずだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ