映画「宮本から君へ」池松壮亮の血と涙のエネルギーが圧巻

公開日: 更新日:

 原作は新井英樹の同名コミック。新井は社会にまん延するさまざまな問題を容赦なく描写し、“究極の人間賛歌”とも称される世界観で熱烈なファンに支持されている。

 監督・脚本は真利子哲也、38歳。2016年に「ディストラクション・ベイビーズ」で商業映画デビューし、ロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞を受賞。激しい暴力描写に独特の味があり、高い評価を得ている“若きバイオレンスの巨匠”だ。今作でも本領発揮。原作に負けず劣らずの容赦ない生々しい暴力シーンの連続で「R15+」指定となった。

 主演の池松と蒼井は全編を通し、ほとんど大声を張り上げ、叫びっぱなし。テンション上がりまくりで、ギリギリまで“究極の愛の試練”に七転八倒するカップルを演じ切っている。

 体格も腕力もケタ違いの“怪物”相手に、何度殴られて地べたに這いつくばっても、叫びながら立ち向かっていくヨレヨレの宮本。容赦ないパンチの嵐に出血多量、顔は変形……そんな宮本を演じた池松は、これまで物静かな役が多かったが、凄まじいケンカシーンは、体力と気力を尽くして挑んだという。役に没頭するあまり、前歯を折られるシーンでは、自ら自分の歯を抜こうとして周囲に止められたほどなんだとか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束