映画「宮本から君へ」池松壮亮の血と涙のエネルギーが圧巻

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 原作は新井英樹の同名コミック。新井は社会にまん延するさまざまな問題を容赦なく描写し、“究極の人間賛歌”とも称される世界観で熱烈なファンに支持されている。

 監督・脚本は真利子哲也、38歳。2016年に「ディストラクション・ベイビーズ」で商業映画デビューし、ロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞を受賞。激しい暴力描写に独特の味があり、高い評価を得ている“若きバイオレンスの巨匠”だ。今作でも本領発揮。原作に負けず劣らずの容赦ない生々しい暴力シーンの連続で「R15+」指定となった。

 主演の池松と蒼井は全編を通し、ほとんど大声を張り上げ、叫びっぱなし。テンション上がりまくりで、ギリギリまで“究極の愛の試練”に七転八倒するカップルを演じ切っている。

 体格も腕力もケタ違いの“怪物”相手に、何度殴られて地べたに這いつくばっても、叫びながら立ち向かっていくヨレヨレの宮本。容赦ないパンチの嵐に出血多量、顔は変形……そんな宮本を演じた池松は、これまで物静かな役が多かったが、凄まじいケンカシーンは、体力と気力を尽くして挑んだという。役に没頭するあまり、前歯を折られるシーンでは、自ら自分の歯を抜こうとして周囲に止められたほどなんだとか。

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