今度はテレ朝「Jチャン」で…ヤラセ横行の裏に構造的問題

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「ヤラセというご指摘は否定できない」――。

 テレビ朝日は16日夜に記者会見を開き、今年3月放送の報道番組「スーパーJチャンネル」の企画コーナーで、業務用スーパーを利用する一般客として取り上げた4人が、実際には番組の契約ディレクターの知人という“仕込み”だった事実を明らかにして謝罪した。会見でテレ朝の篠塚浩常務は外部からの匿名情報提供でヤラセが発覚し、49歳の男性ディレクターを調査したところ「番組制作に自信がなくなっていた。明確な指示がなければやっていいのかと」とヤラセを認めたことを明かした。

 この企画コーナーはテレ朝の子会社であるテレビ朝日映像への業務請負枠。担当ディレクター(以下D)は別の派遣会社からテレビ朝日映像への派遣。この担当Dは俳優養成教室の講師もしており、“仕込み”のメンバーはその生徒だった。

「もちろんダメなことですけどヤラセの誘惑は常にある」と話すのは別の民放キー局の情報番組に“派遣D”として勤務しているスタッフだ。こう続ける。

「テレビ局には明確なヒエラルキーがあって、局の正社員のプロデューサーやディレクターは神様で、現場で作業している制作会社のスタッフが平民。あくまで業務請負契約で、いつクビを切られるかわからない僕らは使い捨て要員ですよ。にもかかわらず仕事量は増える一方。要求されるハードルは上がるし、働き方改革も業務請負は適用外。泊まり込み作業もザラ。ひとりでロケをやって完結する仕事ならなおさら誘惑は強くなる」

 最近はバラエティー番組でもヤラセの発覚が相次いでいるが、ここまで続くとなると、もはやテレビ業界の構造的問題だろう。

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