元大関・貴景勝の湊川親方「中継ぎ登板」で常磐山部屋継承の期待と不安
仮初めとはいえ、立派な部屋持ち親方だ。
27日、相撲協会の理事会で元大関貴景勝の湊川親方(29)が、来年1月8日付けで常盤山部屋を継承することが承認された。名跡交換は行われず、今後は「湊川部屋」となる。
現在の常盤山親方(元小結隆三杉)は来年3月で65歳の定年。そのため、部屋付きの湊川親方が部屋を継いだ形だ。
貴景勝は元々の師匠である貴乃花の退職で、常盤山部屋に移籍。常盤山親方としても、いずれは一から育てた愛弟子の隆の勝に部屋を譲りたい。つまり、貴景勝はあくまで隆の勝が引退するまでの「中継ぎ」と見るのが順当だ。
「だから師匠交代に付きものの名跡交換を行わなかったのでしょう」と、角界OBが続ける。
「となれば、今後の湊川部屋は大所帯の相撲部屋になりそうです。貴景勝は将来の独立に備えて、今のうちから自分の弟子を集めたい。一方、常盤山親方と隆の勝も、将来の継承に備えて『部屋の弟子』を集めなくてはいけませんから。とはいえ、気がかりな点もある。部屋付き親方が独立に向けて内弟子を勧誘するケースは多いが、湊川部屋はその逆になる。いずれ独立する師匠の弟子と、部屋の弟子だが師匠の弟子ではない、という複雑な立場の両者が混在するわけですからね。貴景勝が独立する時に、どっちの弟子かで揉めなければいいのですが……」


















