人生に2度死んだ男<1>「なんだ円楽じゃないんだ」の声…
クルクルクル、カターン! ピーポーピーポーピーポー。夜の住宅街に鳴り響く救急車のサイレン、そして救急隊員のタンカに乗せられ運ばれる男は「ウウウ……し、し、死ぬ~」、それを取り囲む人々の手には画像を撮ろうと握られたスマホや携帯電話が……さらにその群衆たちは「えっ、円楽さんじゃないんだ?」と口々に不思議な声をあげるのであった……。
「し、し、死ぬ~」と意識を失いそうになっているのはまさしく俺だ~!! ということで、今回は2010年の中野区のわが自宅前に俺の人生ルーレットは止まったようである。
例えば、あなた、「いや~、死ぬかと思った」という言葉を口にした記憶はありませんか? たいがいの人が人生において数回は発していると思うのです。では、さらにお尋ねしますが、もしその時の状況が悪い方に出ていたら、「本当に死んでました?」。そーなると死んでたと答える人は極端に少なくなるのではないでしょうか?