著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

サインボールをめぐる森繁久彌先生陣営との怒涛の攻防戦

公開日: 更新日:

 ところが、いざサインをもらおうとしたその時、思いもよらぬ反撃(?)を受けるとは予想もしていなかったのだ……。それは、先生を取り巻く大人たちの森繁軍団であったのだ。自分たちというものがお付きしていながらやすやすと、わが先生がB級芸能人のダンカンなんぞにのせられ、野球のボールにサインなど書かせたとあっては一生の不覚、いや一生どころかサインボールは永久に残っていくかもしれないので、そーなると末代までもの笑いの種にならないとも限らないと、怒涛の防戦を繰り出してきたのだった。

 しかし、森繁先生は器が大きかったねェ! そんな周囲の雑音を断ち切るかのごとく、背筋を凜と正すと右手に握ったペン先にまるで自らの魂を込めているかのようにスラスラ~、「これでいいかねェ」とかすかにほほ笑み、渡してくださったボールには「八十二歳にして幸田露伴を演ずる 森繁久弥」と達筆な文字が言葉と裏腹に若々しく躍っていたのだった。

 余談だけど、森繁先生の書生をやらせていただいたこのドラマは96年の日本民間放送連盟賞テレビドラマ部門の最優秀賞に輝いたのだった。貴重なサインボールに鑑定団来ね~かなあ!? (つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった