著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

「泣くロミオと怒るジュリエット」世相表すダークな純愛劇

公開日: 更新日:

 日本映画批評家大賞を受賞した映画「焼肉ドラゴン」で監督を務めた劇作家&演出家、鄭義信の作・演出による猥雑でダークでポップな舞台。

 シェークスピアの時代もそうだったようにオールメール(男優のみのキャスト)による舞台。しかも時代は戦後間もない関西の港町。カストリ焼酎を売る屋台が町に林立し、闇市のすえたニオイが漂ってきそうな在日朝鮮人らの集落という設定。

 町を二分するのは戦勝国の“三国人”(台湾・朝鮮)の若者たちの愚連隊モンタギューと、ヤクザのロベルト(岡田義徳)傘下にあるキャピレット。

 モンタギューの元メンバーのロミオ(桐山照史ジャニーズWEST)は今では更生し、カストリ屋台で働いている。彼の親友はケンカっ早いマキューシオ(元木聖也)と思慮深いべンヴォーリオ(橋本淳)。それぞれ、閉塞する時代や自分の置かれた境遇に悩んでおり、ある日、憂さ晴らしに出かけたダンスホールで、ロミオは田舎から出てきたばかりのジュリエット(柄本時生)に一目惚れする。

 しかしジュリエットは敵対するキャピレットのリーダーであるティボルト(高橋努)の妹だった……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」