著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

「泣くロミオと怒るジュリエット」世相表すダークな純愛劇

公開日: 更新日:

 原作の映画版「ウエスト・サイド物語」を模したような愚連隊同士の抗争劇もあり、ロミジュリが愛を交わすバルコニーのシーンはなんと2階の物干し場。

 物語の背景にあるのは戦争の後遺症。それは登場人物の体に刻まれている。ティボルトは戦争で片足を失い戦場のトラウマを抱えている。ロミオもまた自己表現が苦手な吃音という悩みを抱えている。

 2つの集団の抗争は南北朝鮮の確執とも読めるし、日韓問題とも読める。原作では悲劇に終わった2人の純愛が、対立する両家を和解へと導いたが、絶望的に閉塞感を強める今の世界を映したかのように、この舞台ではおいそれと対立は解消しないばかりか、さらなる悲劇へと突き進む。3時間20分の長丁場ながら、桐山、柄本ら若者たちの疾走感が心地よく、飽きさせない。八嶋智人段田安則、みのすけ、福田転球らベテラン勢が脇を固めた。渋谷・bunkamuraシアターコクーンで3月4日まで。

★★★

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐野勇斗は書道六段で英語も堪能 愛知県立岡崎西高校から明治学院大英文学科へ

  2. 2

    「佐々木朗希を殺す気なのか」 ロッテが頭を抱えた泥沼交渉劇の舞台裏

  3. 3

    嵐の大野智と相葉雅紀、二宮和也が通信制高校で学んだそれぞれの事情

  4. 4

    活動終了「嵐」メンバー「消える人」と「生き残る人」…“一番先行きが厳しい”のは?

  5. 5

    比大統領との国賓晩餐会で高市首相“謎テンション”…またまた動画で恥さらし批判殺到→大炎上!

  1. 6

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  2. 7

    嵐が去った後に340万人のファンが向かう先…Snow Man、M!LKに次いで有力“不祥事グループ”「ACEes」に募る不安

  3. 8

    案の定ナフサは不足…それでも楽観論ふりまく赤沢経産相がついに「報道介入」の異常事態

  4. 9

    りくりゅう人気で評価爆上がり 木原龍一の元パートナー高橋成美が秘めるポテンシャル

  5. 10

    【スクープ第5弾!】北海道自民12陣営にも衆院選での違法「広告動画」疑惑が発覚