著者のコラム一覧
塩澤実信ノンフィクション作家

長野県生まれ。双葉社取締役編集局長などを歴任。レコード大賞元審査員。「昭和の流行歌物語」「昭和歌謡 100名曲」など著書多数。

ちあきなおみの「喝采」はなぜ伝説の一曲となったのか

公開日: 更新日:

■歌声におびき寄せられた中村泰士が作曲

 デビュー曲の「雨に――」に続いて、育ての親の鈴木淳が翌年書いたのが「四つのお願い」。これが大ヒットし、紅白歌合戦にも出場した。

 そして、いよいよ昭和47年の「喝采」である。この曲は、鈴木淳の作品でなく、曲をつくったのは中村泰士。「四つのお願い」などでちあきなおみの魅力ある歌声に背筋をゾクゾクさせ、「ぜひ、ちあきなおみの曲を書かせてくれ」とコロムビア文芸部を訪ねてきたのだ。

 中村は当時、佐川満男の「今は幸せかい」を作詞・作曲し、歌手から作曲家に転向していたが、まだ新進。しかし、中村の熱意にほだされて、コロムビアは願いを聞き入れた。吉田旺作詞の最初の曲「禁じられた恋の島」はヒットしなかったが、同じコンビによる「喝采」が一気に爆発した。発売からわずか3カ月で第14回レコード大賞を受賞。これは最短記録だった。

 ちあきなおみのバイオリンのような歌声が、中村泰士を引き寄せ、見事当たったわけだが、大ヒットの秘密はもうひとつあった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?