著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

オンライン落語は絵面が弱い…お座敷営業で原点回帰!?

公開日: 更新日:

 私が住んでるところはまだアベノマスクも給付金申請書も届きませんが、自動車税の振込用紙は容赦なく届きました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 この調子でいくと5月いっぱいで緊急事態宣言も解除されるんでしょうが、どうやら我々落語界に限らずエンターテインメントの業界は厳しいものになりそうです。政府は宣言解除後のイベントについて、屋内100人以内でソーシャルディスタンスを十分にとるようにとのこと。この基準をホールや劇場に当てはめて考えると、収容人数のおよそ15%しか入れてはいけないことになるんですよ。私が年に4回独演会を開催してる内幸町ホールだと188席ですから28人しか入れられないことになります。入場料が2000円なので会場代にもなりません(会場代は7万6000円)。オンライン落語? いやいやオンラインって相当うまくて面白い落語でもコンテンツとしての絵面は弱いんですよね。歴戦のユーチューバーたちと戦える自信が私にはありません。たぶん私は原点回帰で、20人相手に5000円で落語を聴いてもらう形の仕事方法になると思います。

 原点回帰というのは、昔の芸人はお座敷といって料亭に呼ばれて限られたお客の前で落語を演じる営業スタイルがあったんですよ。幇間(たいこ)芸よりちょっと上等な芸としてですかね。詳しい金額はわかりませんが、今の50万、100万の金額で文楽、志ん生を呼んで横に芸者をはべらせ落語を楽しんだ旦那衆がいたらしいです。今だと半グレが吉本芸人を呼ぶ感覚ですかね。私だとそんな莫大な金額は取れませんし、富裕層はもっと一流芸人を呼ぶんでしょうから妥当なところで5000円。密にならないように20人。真打ちの最低価格といわれてる10万円は稼げるはず。終わったあとは20人と杯を交わして2時間のフリートーク付き。もちろん写真撮影やサインにも応じます。年2回参加しても、ひと月換算すれば1000円弱ですから、その辺のファンクラブと比べてもお手軽で割安でしょう。あっ!……飲み会も濃厚接触? なの?

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較