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神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

史実を例にしたビジネス講談が大ウケ

公開日: 更新日:

 史実もそんな話にしてもらえると、さらに理解が進む気がする。

「大昭和製紙へ行ったときのこと。一番前の席で絹のワイシャツと胸のハンカチの斉藤社長が聞いてくださっていた。織田方の敵になる悪役の斎藤道三を『斎藤!』って呼びつけたら会場がわっと盛り上がって。その後、大昭和製紙の北海道の工場まで回りましたよ」

 松鯉師匠の小さなネタ帳には「惑える戦士達」「頑張れ単身赴任」などびっしりとネタが記されている。

「ビジネス講談は全部で30席ぐらい作りました。私がビジネス講談をやると寝ちゃう人はいません(笑い)。万が一寝てる人がいたら張り扇で叩き起こしちゃいます(笑い)。今でもときどきオーダーがありますよ」

 令和版ビジネス講談を聞いてみたいもの。

(構成=浦上優)

【連載】「講談」ブーム再来の舞台裏

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