著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

講談専門だった本牧亭が果たした役割

公開日: 更新日:

 講談を聞く、見るにはどこに出掛けるか。

「東京は上野・鈴本演芸場、新宿・末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場、それから永谷グループのお江戸日本橋亭、お江戸上野広小路亭、お江戸両国亭があります」

 その昔、講談専門の寄席・本牧亭が上野にあった。1857(安政4)年、江戸上野広小路に講釈場本牧亭を開場したのが始まりだ。その後閉場して「鈴本亭」(今の鈴本演芸場)が同じ上野にできた。

 昭和25年、鈴本演芸場裏に「本牧亭」として3代目席亭鈴木孝一郎により再建され、落語席の鈴本演芸場に対して日本で唯一の講談専門の寄席になった。

「唯一のフランチャイズだったんです。昼間は講談をやってましたが、それだけでは経営が成り立たないんで夜は貸席にしたんですよ。噺家も夜の本牧亭を借りて独演会をやってましたし、義太夫の演奏会も夜に開催してお客さんを集めてました。昭和38年に出版された安藤鶴夫著『巷談 本牧亭』が直木賞を受賞、この本で本牧亭の名前が一気に広まったんです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」