広がる大臣や知事のリモート会見はテレビカメラマン泣かせ

公開日: 更新日:

 こうした広がりに戸惑っているのが、テレビ各局のカメラマンたちだ。

「自社カメラで撮るのと違って、会見側が撮った映像がパソコンに送られてきて、それを流すだけだから、どこの番組も同じ絵ですよ。複数のカメラをセットして、スイッチャーを使えば、向こうが勝手に映像を切り替えるなんてことも可能になります。厳しい質問をされて脂汗をかいたり、ウソをついて手が震えたりという、言葉だけでは分からない部分がまったく伝えられなくなってしまうね」(ベテラン取材カメラマン)

 朝8時にワイドショーにチャンネルを合わせると、すべて同じ映像なんていう不気味なことになりかねない。都合のいいことだけをしゃべるだけしゃべって、一方的に打ち切りという会見が横行するのも目に見えている。

「通常の定例会見では、質問した記者が回答に納得しなければ、マイクを返さず追加質問することも可能ですが、オンラインでは再質問に聞こえないふりをして逃げることもできます。そして、逃げたところは映らない。さらに、送信をオフにしてしまえば、いつでも会見を終わらせられますから、小一時間ですぐ打ち切るガースー総理にはいいでしょうね。今後は、厳しく追及されそうな会見はオンラインで、ということになりますよ」(フリージャーナリスト)

 ただ、オンライン会見では、「目の前に記者がいるのと違って、カメラやパソコン相手だと緊張感がなくなるのか、余計なことまでしゃべってしまいがち」(知事の秘書)というから、記者側の突っ込みどころも多くなるかもしれない。

(コラムニスト・海原かみな)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲