「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は“鬼滅超え”なるか

公開日: 更新日:

 綾波レイ(声:林原めぐみ)を救えぬばかりか、父ゲンドウの策略により自らの手で世界を壊滅状態にしてしまった碇シンジ(声:緒方恵美)。わずかな生存者で構成されるWILLEの艦隊は、それでも人類社会の存続のため、ゲンドウ率いるネルフの新型エヴァンゲリオン隊に対し最終決戦を挑む。

■庵野監督の“トラウマ”が反映?

 前作の公開から8年。155分間という長尺の中には「宙づりにされた軍艦多数が敵と空中戦を行う」など想像を超えたスケールのスペクタクルが多数。さらにはシンジやアスカ、ミサト、ゲンドウといった登場人物の、これまで明かされなかった心情や目的がすべてラストで明らかになる。

「エヴァンゲリオンの作品群は“トラウマの克服”がテーマのひとつといわれますが、そこには未曽有の成功に伴う金銭トラブルに付きまとわれてきた庵野監督自身の姿が投影されているのではともっぱらです。例えば、かつての制作会社の社長は5億8000万円もの脱税で退任。やがて自身で新会社を立ち上げ、この新劇場版を作った後も、旧制作会社からの支払いが滞り、庵野氏は貸金返還請求訴訟まで起こす羽目になったりしました。終盤のゲンドウの衝撃的な独白は、まるで彼自身の内心の吐露のようにすら思えます」(前田氏)

鬼滅の刃」大ブームの次は「エヴァ」の快進撃。記録的大ヒットが、庵野監督のトラウマを吹き飛ばすことができるのか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」