<4>改名のお伺いを師匠に立てたら「話す幸せで談幸。いいじゃないか」と…

公開日: 更新日:

 地方公演に行くと、主催者が土地の名産品を持たせてくれることが多い。ありがたいのだが、それを持って帰るのは前座なのだ。

「小さくて軽い物はまずありません。たいてい、かさばって重たい物です。当時は宅配便がなかったから東京まで持って帰るしかない。一番重たかったのは、酒粕でしたね。あれは重いですよ。銘酒の一升瓶も割れ物なので大変です。新巻き鮭数本ということもありました。一番腹が立ったのは、洗剤を何箱もくれた主催者。土地の名産でもないし、なんの意味もない。そんな物でも師匠は断らない。大きな箱の山がうらめしかったです」

 4年の前座修業の後、1982年に二つ目昇進を果たした。その際、談吉から談幸と改名する。

落語家名鑑に載っていた名前で、これにしようと自分で決めました。師匠にお伺いを立てたら、『話す幸せで談幸。いいじゃないか』と言ってくれまして」

 幸という字が入った芸名は、それまでありそうでなかった。いい名前である。翌年1月、明治大学落研の同級生、竹内照雄が談志に入門した。立川志の輔である。そして6月、落語界を揺るがす大事件が起こる。 =つづく

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  3. 3

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 4

    さや氏の過去と素顔が次々と…音楽家の夫、同志の女優、参政党シンボルの“裏の顔”

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  2. 7

    参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

  3. 8

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表「日本人ファースト」どこへ? “小麦忌避”のはずが政治資金でイタリア料理三昧

  5. 10

    ドジャースに激震!大谷翔平の“尻拭い役”まさかの離脱…救援陣の大穴はどれだけ打っても埋まらず