<8>談志師匠の墓前に報告した時「いいんじゃないか」と言ってくれたような気がしたんです

公開日: 更新日:

 2014年、談幸は60歳になった。還暦を迎えると、たいてい己の行く末を考えるものだ。

「私も考えました。師匠は75で亡くなった。年齢的に、ちゃんと高座を務められるのは、あと10年から15年じゃないかと。談志一門が寄席に出なくなって30年もたってる。落語家として育ててもらった寄席に出ないまま生涯を終えたくない。師匠は寄席の悪口を言ってましたが、それは愛情の裏返しで、本当は大好きなんです。残りの人生、その寄席の空間に身を置きたいと切に思いました」

 寄席に出るためには、落語協会か落語芸術協会に入らねばならない。

「落語協会にはいまだに談志一門を敵対視する方々がいますから、選択肢がありません。そこで芸協の事務局長の田澤さんに相談しました」

 田澤祐一氏は、芸人のみならず、各寄席の席亭たちの信頼が厚い人だ。

「田澤さんは以前から、立川流と5代目円楽一門会の落語家を定席に出したいと考えていた方なので、私の入会にお力添えしてくれたんです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋