著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<2>「ミスター平凡」の称号を手に入れ“演歌歌手の決定版”として期待を集める

公開日: 更新日:

 芸能誌「月刊平凡」(1964年8月号)に「第15回コロムビア全国歌謡コンクール 7月上旬から地区予選はじまる!」という告知記事が載っている。

《コロムビア専属歌手「歌うミス・ミスター平凡」を選出する、第15回“コロムビア全国歌謡コンクール”の予選がいよいよ7月上旬からはじまります。下の規定をよくごらんのうえ、ふるってご参加ください》とある。参加条件は年齢、職業を問わず誰にでも門戸を開き、参加料は「一人一曲につき三〇〇円」(現在の価格で約1500円)。8月6日の函館予選を皮切りに全国各地で開催される地区予選を勝ち抜くと、9月8日に日比谷公会堂で行われる「決戦大会」出場の切符を得る。そこで男女1人ずつ選ばれた優勝者には豪華賞品と「歌うミス・ミスター平凡」の称号、そしてプロ歌手としてデビューする権利が与えられる。

 前年度の「ミス・ミスター平凡」は、都はるみと千波竜一。特に、「困るのことヨ」でデビューした都はるみは、3曲目のシングル「アンコ椿は恋の花」が100万枚を超えるミリオンヒットとなり、新人にして早くもスターの座を射止めていた。また、58年のコンクールで優勝した榊原貴代子も、芸名を青山和子に改名し「愛と死をみつめて」をリリースすると、これが空前の大ヒット。64年の「日本レコード大賞」を受賞していた。つまり、このコンクールで優勝することは、スターの切符を手にしたも同然だったのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"