カズレーザー、山里亮太…芸人はなぜモテる? 業界人が分析する「メロい」現象が起こりやすい納得の理由
カズレーザーさんと女優の二階堂ふみさんが結婚した。週刊誌にも撮られなかったどころか、噂すらなかったので世間はびっくり&祝福ムード一色で、なんだか明るいニュースでこちらまで嬉しくなったりした。
お二人の取り合わせが珍しかったので驚いたが、もともと二階堂さんはカズレーザーさんのファンらしく、8年前に番組で公開告白をしていたことも話題になった。その際の動画を見てみると、二階堂さんが「カズ様と会いたかったです、今日ずっとドキドキしてました」「顔がタイプです」とデレデレで、非常に羨ましい限りだった。
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ところで、このお二人以外にも芸人と女優・アイドルなどのカップルはたくさん存在している。例えば南海キャンディーズ・山里さんと蒼井優さん、品川庄司・庄司さんと元・モーニング娘。の藤本美貴さん、アンジャッシュ・渡部さんと佐々木希さんなど多数。
この手の報道が上がるたびに皆様、不思議に思うことがあるだろう。「なぜ芸人はモテるのか?」「なぜ女優やアイドルが芸人を結婚相手に選ぶのか?」--今回は長年芸人世界に身を置いている人間として、「なぜ芸人がモテるのか」というメカニズムについて説明する。
芸人にメロつく心理【1】ギャップがある
芸人がモテる理由を解説するときに、役に立つ造語がある。それは「メロい」だ。「メロい」は最近になってSNSではやり始めた若者言葉で、「メロメロになる」の意味だ。厳密には「ある人や物事に強く惹かれ、夢中になっている状態を表す言葉」と定義されている。
芸人ファンの女の子はよく「メロい」という言葉を使う。つまり芸人を「メロい」と思う女性は一定数いるのだ。僕はこの「メロい」現象は芸人に起こりやすいと思う。その理由が「仕事中とのギャップ」にあるとにらんでいる。
女優やアイドルなど、芸能界で生きる綺麗な女性にはたくさんの男がちょっかいをかけてくる。その中には、地位の高い人やイケメン俳優だっているだろう。そういう人は元々「カッコ良くて当たり前」「スマートで当たり前」のように期待値が高い。
その点、芸人は違う。舞台上では明るくバカっぽいキャラクターの人でも、仕事が終わると人が変わったようにクールに落ち着いていたりする。まあ普通の大人なので、ずっとあのキャラクターでいるわけはないが、やはり初めて見るとギャップを感じることは多いだろう。
しかも売れている先輩であればあるほど裏ではかなり落ち着いていて、スマートな人が多い。いわゆる良い意味でギャップがあるのだ。その変化を女性は「メロさ」を感じてしまうのだろう。
俳優や男性アイドルと比べて、特に芸人は売れるためにキャラクターを作る必要がある。それゆえに表に見えているキャラクターとは違う、本当の人柄に触れたときにギャップを感じるのだろう。例えば陰険なイメージがある山里さんは、裏ではスマートで優しい。蒼井優さんも会見で「そんなところに惚れた」とのろけていた。
カズレーザーさんも売れ始めは奇抜なキャラクターを前面に押し出し、実はクイズに強く秀才という別の面で確固たる地位を築いた。二階堂ふみさんもそのギャップにメロついたのかもしれない。
メロつく理由その【2】異常なほど気が遣える
俳優やアイドルに比べてビジュアルが劣る芸人がモテる理由の一つに「異常なほどに気が遣える」という点は見逃せない。
芸人には異常に気を遣える人が多い(もちろん例外はいるが)。いまだに芸人世界は上下がきちんとしており、舞台上はもちろん飲み会などでも空気が読めなければ淘汰される。日々気を遣う、空気を読むということをかなり強いられるので、芸歴を重ねるとどんどん身についていくのだろう。
僕も元来全く気がきかない方だが、先輩たちにかなり教えてもらって、今では人並みくらいには気を配れるようになったと思う。ただ僕は悲しいことに全然モテておらず、気だけ遣えるようになった。例外である。
売れている人は「人並み外れて」気配りが上手で、売れている先輩ほど飲み会では空のグラスを気にして注文してくれたり、話に混ざれない人がいたら話題をうまく回して皆が話やすくしてくれる。その手腕に何度も惚れ惚れしたこともある。
きっとどの世界にも上下関係や空気を読む必要性はあると思うが、芸人はダントツで求められる。それはライブなどの平場は空気を読んでみんなで協力して作り上げるものなので、アドリブがきかなかったり一瞬で適切なことを言えない芸人は生き残れないからだ。
売れている人は異常に空気を読んだり適切なコメントを差し込むことに長けているので、モテないはずがない。女性が言って欲しいセリフを余裕で提供し、メロつかせるのだろう。
あと前部分で考察した要素にも通じるが、ガサツなイメージがある芸人が繊細な気遣いもできるということはアピールにもなると思う。
メロつく理由その【3】単純に優しい
最後に本当にありきたりなことをいうが、芸人は実はみんな優しい。一昔前はギラつく、尖る、などが当たり前だったが、今売れている先輩もみんな丸くなってしまった。
それに合わせて若手の世界も変化し、「嫌なやつ」が本当にいなくなった。むしろ後輩をいじめる奴は嫌われるし、なんなら「嫌なやつ」こそ嫌われて居場所がなくなって芸人やめてしまったりと、自浄作用が出てくるような構造になっている。
芸人は下積みが長いし仲間意識も強い。きっと人間的に最悪な人は振るい落とされるのかもしれない。協力プレーが大事で、孤独では勝ち抜けないのが芸人世界だ。
これは非常に個人的な感覚だが、俳優やアイドルの方が「嫌なやつだな」と感じる人が多かった。
ただ、芸人世界もたまに渡部さんのようなとんでもないミスをするやつもいたりするが、売れている先輩は基本的に人格者だ。カズレーザーさんも例に漏れず、だと思う。
「笑わせたい」人に悪いやつはいないはず
まとめると芸人がモテる理由は女性をメロつかせる「ギャップ」「気遣い」「優しさ」だと思う。ただ、芸人は完全無欠のよい男ばかりだと言いたいのではない。たまに渡部さんのようなとんでもないミスをする人もいたりするし、基本的にはいい加減な人間ばっかりだったりする。
でも、僕は「面白いことをして人を笑わせたい」人は性根から悪い人はいないと信じている。
今回ご結婚されたお二人も、ぜひ末長く幸せでいて欲しい。
(帽子田/芸人、ライター)