「令和のコメ騒動」で「コメ増産」が始動…農政転換で期待高まる北海道とスマート農業
一連の「令和のコメ騒動」を受け、ついに石破茂首相は「コメ増産」を打ち出した。長く「生産調整」という事実上の減反を強いられてきた生産現場からは、「今さら」「価格は維持されるのか」といった不安や心配の声が上がっている。
しかし日本のコメ作りに、大ナタを振るう必要があることは事実だ。そして、それを期待して株式市場も動いた。
「トラクターや田植え機国内トップのクボタは、8月5日の終値1655円が6日には1731円に跳ね上がり、その後も1800円に届くほどの値動きをキープしています。同じく農業機械大手の井関農機も1500円を1600円まで上げ、草刈り機や肥料・農薬散布機械の丸山製作所やタカキタなども増産発言以後は思惑買いが先行して高株価を維持しています」と証券会社幹部は話す。
これまでのコメを巡る農政では、「コメ余り」を危惧し価格維持が優先されてきた。しかし、今回の新方針はこれを「失敗」と認め、生産性を高める生産者支援に軸足が置かれることになる。具体策についてはこれから示されるのだろうが、大規模化、担い手不足の解消、輸出拡大をどう図るか、という課題は明確だ。