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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

賛否両論あれば 佐久間宣行は誰も何も言えないくらいのことをやる

公開日: 更新日:

 彼が入社した当時、テレビ局はパワハラ当たり前の体育会系のにおいが色濃く残っていた。それに苦しめられた佐久間は、上の立場になると、そうしたことを一切やらなかった。誰かを追い込んだり、嫌われたりするような仕事はしてこなかった。だから「テレビ局の社員というバックがなくなった割に、周囲のみんなの態度が変わんない」(同前)と言う。

 そもそも、在籍中から佐久間は異例ずくめの存在だった。「久保みねヒャダこじらせナイト」(フジテレビ)や「あたらしいテレビ」(NHK)など、演者として他局の番組に出演。極めつきは2019年から「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)で、ラジオパーソナリティーとしてレギュラー番組まで持っている。

 退社後は「アナザースカイ」(日本テレビ)をはじめ、数多くのテレビ番組に出演。地元・福島では「サクマ&ピース」(福島中央テレビ)という冠番組も持った。

 もちろん、裏方が表に出ることには賛否両論ある。けれど「賛否両論あるんだったら誰も何も言えないくらいのことをやったほうがいい」(blueprint「Real Sound」22年1月2日)と覚悟を決めた。そこには「作っているスタッフの人柄が出てる番組のほうが観る人に受け入れられてる感じがする」(同前)という思いがあるからだ。

 冒頭の番組で、さんまから「ひょうきんディレクター」のようにアダ名はつけないのかと聞かれ、ラジオではリスナーの悪ふざけで「船長」と呼ばれていることを恥ずかしそうに明かす佐久間。「だからラジオを締める時『ヨーソロー!』って言ってます」と豪快に笑った。

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