著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

熱烈な"信者”を抱える鬼越トマホークの大衆すべてに好かれようとしない覚悟

公開日: 更新日:

 その時、先輩に向かって「うるせえな! おまえらは一生デカい昆虫と戦ってろ!」と言い放ったのだ。このエピソードを聞いて、面白がった千原ジュニアが自身の番組「ざっくりハイタッチ」(テレビ東京)で同様のシチュエーションで暴言を吐く企画を作り、芸が出来上がった。

「目上の人に向かって言いたいことがある人って、人類全員でしょ? それをうまく笑いにした芸を、偶然にゲットできた」(Cyber Now「新R25」2020年12月8日)と坂井は言う。実はこの暴言ネタも、今では月額1000円の自身のオンラインサロンメンバーに「考えてもらっている」(日本テレビ系「芸人報道」21年12月27日)という。

 鬼越トマホークはケンカ芸以外でも「第7世代」に毒を吐き、同期のニューヨークらをくさしたり、爆笑問題やさんまら大先輩にも果敢に立ち向かっていく。そんなギリギリを攻める姿が支持されている。冒頭の番組でも、坂井はキングコングの西野に「1万人の薄いファンを集めるより、100人の濃いファンを集めろ」と教わり、それを守っていると語っていたが、「我々なんて9割の敵と1割の信者を相手に成り立ってますからね」(「新R25」=前出)と笑う。

 彼らは決して大衆すべてに好かれようと思っていない。そんな嫌われる覚悟こそが、熱烈に愛される秘訣なのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲