(8)割れんばかりの拍手と声援の中、「初めまして。蝶花楼桃花師匠でーす!」

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 3月21日、鈴本演芸場夜席。落語協会の真打ち披露興行大初日で、桃花がトリを取る。彼女の熱烈なファンが大勢詰めかけ、大入り満員の盛況だった。披露口上の前に、小朝が高座に上がった。

「楽屋では桃花が錯乱状態です」と笑わせ、桃花はネタ下ろしを演じると宣言した。

「今日は桃花の思い出づくりですから、寛容な気持ちで見てやってください」

 冗談めかした言葉の中に、彼女のプレッシャーを少しでも和らげてやろうという気遣いが感じられる。

 中入り休憩後の披露口上。司会は小朝門下の五明樓玉の輔で、理事の三遊亭円歌、最高顧問の鈴々舎馬風、協会会長の柳亭市馬の口上に続いて、締めが小朝である。

「若手の心の支えは、一定の数のお客さまが必ず会に来てくれることなんです。今ここにいらっしゃる、彼女を追いかけてくれたお客さまが……」

 と言ったところで絶句した。なんと、感極まって涙ぐんでいる。隣に座る桃花ももらい泣きだ。

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