【虚血性腸炎】突然の左下腹部痛と血便が典型的なサイン
夏になると、「急にお腹が痛くなって下痢や血便が出た」という方が増えます。その中に、「虚血性腸炎」という病気が隠れているケースがあります。大腸に行く血流が一時的に悪くなって腸の粘膜が傷つき、炎症と出血を起こす病気です。大腸の中でも、もともと血流の悪い左側の大腸(下行結腸~S状結腸)に起こりやすい病気で、突然の左側の腹痛と血便が典型的なサインです。
日本では、「虚血性腸炎は夏~初秋にかけて多い」という報告があります。日本消化器病学会雑誌の報告では、日本人での虚血性大腸炎60例を調べたところ、約7割が高温多湿の5~10月に発症していたという結果が出ています。
夏に発症リスクが上がる要因はいくつか考えられています。
1つ目は「脱水」です。暑さで汗をかいて水分補給が追いつかないと、血液の中の水分(血漿)が減って、相対的に血球が濃くなり、血がドロドロの状態になります。すると、細い血管の流れが悪くなって、大腸の末梢の血流が落ちやすくなるのです。
2つ目は「血圧低下と夜間の発症」です。虚血性腸炎は、夜から早朝に発症することが多いと報告されています。寝ている間は血圧が下がって、腸の血流も落ちやすい時間帯です。そこに脱水が重なると、「大腸への血の流れが一時的に足りなくなる」状況が起こりやすくなるわけです。


















