名リポーター阿部光利さんは23年3月の台東区議会議員選挙に立候補「4月から駅頭で『朝立ち』を」

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阿部光利さん(元フジテレビリポーター/65歳)

 1980年代、90年代のワイドショー全盛期。各テレビ局は花形リポーターを最前線に送り込み特ダネを追ったものだ。本日登場の阿部光利さんはフジテレビの「おはよう!ナイスデイ」「とくダネ!」「2時のホント」などで活躍した名リポーター。特に事件モノに強く、数々の修羅場をくぐった。だが、2000年3月、リポーターを卒業。さて、今どうしているのか。

 ◇  ◇  ◇

「来年3月の台東区議会議員選挙に立候補すべく、準備を進めておりましてね。この4月から駅頭での挨拶活動『朝立ち』をスタートしました」

 阿部さんと会ったのは都内台東区、東京メトロ日比谷線・入谷駅の3番地上出入り口そば。「朝立ち」の場所だ。

 実は阿部さん。2011年の同区議会議員選挙で「みんなの党」から出馬し、見事に当選。15年の同選挙には「維新の党」公認で連続当選した区議会議員だったのだ。

 ところが……。

「無所属で出馬した19年は最下位当選の方から、わずか45票差で落選。原因? うーーーん……」

 議員時代の8年間、出張日以外、阿部さんの一日は未明の4時半から始まった。まず5時からの定例セミナーに出席。終了後、6時半に上野公園や台東区内各所で行われるラジオ体操に参加。そして7時半ごろから1時間前後の「朝立ち」が日課だった。

「朝食はその後で、区役所の議員控室には議会開催日でなくてもほぼ皆勤。陳情を受け、質疑や一般質問の資料作成、他にも祭礼、消防団、各種ボランティア……。ところが、これだけ毎日動いてる、ってことに安心しちゃったんですね」

 精進が足りなかった。もう一歩二歩、有権者に近づき、寄り添う活動が必要だったのでは? と自問自答が続いた。

「前回の選挙は僕にとって、とても勉強になりました。これを糧に、なんとしても復帰を目指したいですね」

 さて、阿部さんは1956年6月14日、山形県鶴岡市生まれ。大学卒業後は出版関係の会社を経て起業するも業績は伸びず撤退。そして学生時代に評価されたしゃべりのうまさを生かすべく芸能界へ転じ、テレビリポーターとなった。

 注目されたのは89年。フジテレビのワイドショー「TIME3」のオーディションに勝ち残り、専属リポーターに採用されてからだ。

「1600人も応募し、合格したのは僕を含めて3人。最初の仕事は連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤逮捕でした。それ以降、主に事件担当として、政財界・芸能を問わず全国を駆け回りました」

麻原彰晃には単独で3回インタビュー

 最も印象的なのはオウム真理教をめぐる一連の事件。4年前に死刑になった麻原彰晃には逮捕前、3回単独インタビューしており、上九一色村(現・富士河口湖町/山梨)などの教団施設へも直撃取材を敢行。信者たちと何度も一触即発になりかけた。

「麻原インタビューで富士宮の富士山総本部へ行った時です。ある広間にモデルのような美少女が1人で座っていました。靴下をはいてないから足の裏が真っ黒で、聞けば、『16歳』。あれから30年ほど経ちますが、彼女は今、どこで何をしてるんでしょうか……」

 その後もフットワークの良さを買われ、フジテレビ系の「ナイスデイ」「とくダネ!」「2時のホント」などで重宝された。

 だが2000年3月、「2時のホント」が打ち切りとなり失職。それからが波瀾万丈だ。まずラーメン店経営を目指し、下働きから始めるも経営者の不祥事・逮捕で挫折。その2週間後、長男誕生。中堅広告代理店のイベントを手伝ったことをきっかけに系列PR会社にスカウトされ転職、独立し広告代理店を設立。この間、次男誕生、離婚、再婚。

 そして11年、台東区議会議員に当選し、会社を休眠。2期連続当選するも3期目に挑戦した19年3月落選。会社を復活させ、17年10月の衆議院選挙に東京2区から出馬し落選した松尾明弘氏の依頼で広報活動をサポート。ところが20年11月、比例東京ブロックで松尾氏が繰り上げ当選すると、公設第1秘書に就任。しかし21年10月の衆議院選挙で松尾氏が落選し、秘書を失職……。

「僕は打たれ強いんです。周囲に恵まれてますしね。何より、こんな僕についてきてくれる妻に感謝しています」

 1年後、阿部さんにはどんな人生が待っているのだろうか。

(取材・文=高鍬真之) 

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