“小泉チルドレン”井脇ノブ子さんの今…月10万円の年金生活も人材育成の大志を抱く

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井脇ノブ子さん(75歳/元衆議院議員、自民二階派・参与)

 いよいよ衆院選挙も大詰め。各地で激戦が繰り広げられているが、2005年の郵政選挙では小泉旋風が吹き荒れ、自民党からは現タレントの杉村太蔵氏や新潟県中越地震の対応で注目された旧山古志村村長・長島忠美氏(故人)ら83人の新人議員が誕生した。中でも「やる気! 元気! イワキ!」のキャッチフレーズとピンク色のスーツ、短髪で話題となったのが井脇ノブ子さんだ。

  ◇  ◇  ◇

 井脇さんと待ち合わせたのは都内のカフェ。10分前に着くと、すでにテーブルを確保して待っていた。お馴染みのピンク色のスーツ、薄くはなったが短髪は変わらない。ただ、かなり痩せている。

「そうなんです。郵政選挙の時は88キロあったけど、今は53キロ。一昨年の年末が39キロほどやったから、これでも体重は戻ったんですよ」

■講演直後に倒れICUに救急搬送

 19年11月、東京タワーでの講演直後に倒れて、近くの東京慈恵会医大付属病院・ICUに救急搬送。5日間、意識不明だったという。

「過労による急性胆のう炎でした。担当医によると『直径1センチ以上ある胆石が3個も胆のう管に詰まった』。それで、胆のうと肝臓が癒着し、その揚げ句に敗血症も併発して血圧の正常値が上で140mm/Hg前後なのに25mm/Hgまで下がってしまい、『ご家族をお呼びした方が……』と言われる始末。さんずの川を渡ってしまいそうでした。でも、そこから蘇ったんです」

 さすがに大分・別府大学時代に競泳で鳴らした元国体選手。あの世の手前でUターンし、さんずの川を泳いで戻ってきたようだ。とはいえ、翌20年1月に退院するまで開腹手術は3回。げっそりと痩せた。

「神様が『まだ人のため、社会のために貢献しなさい』。そうおっしゃってるのかな、と。へこたれてなんかいられません」

 住まいは豊島区内のマンション。

「衆院議員時代もそこから永田町へ通ってました。今は月約10万円の年金、それと月2回ほどの講演会収入で暮らしています。私は、私財を蓄えるために仕事をしてきたことは一度もありません。議員年金? 1期4年弱しかしてないんでゼロですよ」

絵に描いたような貧乏な家、一家心中寸前まで

 井脇さんは1946年2月11日、大分県鶴見町(現・佐伯市)の漁師の家庭に兄3人、姉5人の9人きょうだいの末っ子として生まれた。

「絵に描いたような貧乏な家で、兄や姉は中学を出たら皆、県外で働いていました。ところが小4の時に次男が冤罪で逮捕され、無罪確定まで両親は苦労ばかり。一家心中寸前まで追い詰められたんです」

 幼くして辛酸をなめたことから政治家を志し、05年の郵政選挙・大阪11区で当選するまで計6回、国政選挙に挑戦した。

 一方、拓殖大大学院修了後の71年、国内外へ渡航しながら社会教育を実践する「少年の船」を開始。また、85年に国際開洋第一高校(静岡県)、87年に国際開洋カナダハイスクール(カナダ)、90年には国際開洋第二高校(和歌山県)を設立したほか、モンゴルやチベットからの留学生受け入れ活動など、教育家として数々の実績を積み重ねた。少子化などにより第一高校とカナダ校は閉校したが、直接教えた生徒は5万人を超える。

「入院の際は全国から200人以上の生徒や親御さんがお見舞いに来てくれたし、今も米や野菜、魚、肉などが届きます。ホンマ、ありがたいですよ」

 現在は志帥会(二階派)参与。政界から一歩引いているものの、今もなお大きな夢がある。

「大災害の多い島国・日本には、海からの支援を迅速に行う病院船が必要です。今なら中古船舶が格安なので、海の国土強靱化、SDGsに沿った施策だと確信しています」

 13年に内閣府は「災害時多目的船(病院船)に関する調査・検討報告書」を公表しているが、維持費や人材の確保が困難として「民間船舶や既存船舶を活用した実証訓練を行うことも、有効な方策の一つ」と結論付けている。

「試算では300億円で可能です。災害がない時は東南アジアなどで研修を兼ねて国際貢献すればいい。10年後、20年後の国益を考え、ぜひ次の内閣で取り組んでもらいたい。それと来年、人材育成のための井脇塾を旗揚げしようと思っています」

 趣味は水彩画。一般社団法人・新美術協会の理事を務めている。

(取材・文=高鍬真之) 

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