歴代の天皇が学んだ「帝王学」は時代や制度によって大きく変わった

公開日: 更新日:

 昭和天皇が学んだ「帝王学」は、戦後も引き継がれてきたのだろうか。

 終戦の翌年、疎開先の日光から引き揚げてきた明仁皇太子(上皇さま)は、武蔵小金井に移設された学習院中等科の分校で学ぶことになった。あくまでも学習院の生徒として学ぶのだが、校舎の東側に東宮仮寓所があったことや、教授陣に東大教授を中心とした著名な学者たちを集めたことなどから、昭和天皇の御学問所に似ていなくもない。その中でとりわけ注目されたのはアメリカ人のエリザベス・G・バイニング夫人だった。

 バイニング夫人を招請したのは昭和天皇自身だった。

 当時は戦争責任から昭和天皇の退位が話題になっていた。新しい天皇にはこれまでの教育では限界がある、国際的な視野が必要だと感じていたのだろう。敗戦から間もないにもかかわらず、明仁皇太子の洋行も検討していたくらいだ。未来の天皇には新しい教師をということで、英語の教師にイギリス人ではなくアメリカ人の婦人を選んだ。年俸2000ドル。当時としては破格すぎる金額だった。

 アメリカの民主主義を学んでほしいと思われたのだろうか。「軍国少年」だった皇太子は、この日から4年間、これまでとは全く違う価値観の洗礼を受ける。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景