著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

朝ドラ「ちむどんどん」視聴者をイラ立たせてるのは、“偶然”の大安売りのような展開だ

公開日: 更新日:

 朝ドラ「ちむどんどん」を巡りネットが騒がしい。本来の朝ドラは物語の展開や出演俳優の話が主だったが、今回はハッシュタグ付きの「ちむどんどん反省会」まで出現。ストーリーや登場人物に対する非難が絶えることなく続いている。負の部分でこれだけ盛り上がるのも珍しいが、裏を返せば、それだけ朝ドラに対する関心と期待の高さの表れでもある。

 確かに、スタート時から「?」と思うことがあった。人によって突っ込みどころは違うだろうが、根底にあるのは脚本の問題。朝ドラほど視聴者が感情移入して見ているドラマはない。ドラマの流れに無理や矛盾点があるからツッコミも入る。礒崎陽輔元農林水産副大臣もツイッターで<脚本の論理性が崩壊しています>と厳しいご意見。特徴的な突っ込み箇所は“偶然”が多過ぎで矛盾に感じる点だと思う。

 最近でも暢子(黒島結菜)の兄、“ニーニー”(竜星涼)が勤めている養豚場の娘が家出。住み込みで働いているバーの近くに偶然にも暢子のお店があった。休業中にもかかわらず娘は招き入れてもらい試食までさせてもらう偶然。さらに豚と沖縄の話が重なり盛り上がり知り合う展開。「偶然」の大安売りのような展開は滑稽でもあるが、おのずと先の展開まで読めてしまう。

「明日はどうなる」という朝ドラ本来の形が崩れている。それでも「ドラマだからね」で済むものだが、朝ドラは感情移入の最たるドラマ。そうはいかない。おいでやす小田なら「ありえへんやろー」と甲高い声で切れまくるだろう。

 偶然にも「なるほどそうだったのか」という説明がないと視聴者のイライラを募らせている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった