二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

朝ドラ「ちむどんどん」視聴者をイラ立たせてるのは、“偶然”の大安売りのような展開だ

公開日: 更新日:

黒島結菜は「クロサギ」に出演決定

 例えば刑事ドラマ。犯人逮捕に至るまでの証拠やアリバイ崩しなど「なるほど」と思う材料があるから面白さにつながる。

 ドラマの核である登場人物の設定で突っ込みどころ満載なのが主人公・暢子の兄“ニーニー”。家族思いはよしとしても、「どれだけフーテンの寅さんをリスペクトしてるの」と思いたくなるほどニーニーは寅さんとかぶる。まともに仕事に就かず、だまされてばかり。暢子の元に帰ってきては、迷惑をかけてまた家を出る。出ては懲りずにまた戻る。そんな兄をかばい続ける暢子は寅さんを心配し続ける倍賞千恵子演じるさくらに見えてくる。ならば、レストランオーナーで親戚筋にあたる原田美枝子は、寅さんでは団子屋のおばちゃん。暢子が間借りしていた沖縄料理屋に集う人たちは寅さんが「労働者諸君」と言っていた町工場や近所の人たち。さしずめ世話人・片岡鶴太郎が工場のタコ社長か。

 ドラマの展開ばかりに気をとられ、今回の朝ドラでは注目される脇役に目がいかない。前回の「カムカムエヴリバディ」では主役以外でもオダギリジョー早乙女太一と話題に事欠かなかったが、今回はほとんどない。

 非難も含めて話題満載だった朝ドラの主演を務めた黒島は朝ドラ主演女優の肩書を身につけて間もなく卒業。女優として新たな第一歩を踏み出す。すでに黒島は10月期のドラマでKing&Princeの平野紫耀主演の「クロサギ」に出演が決定している。今年の春「カムカム」で一足早く朝ドラ主演女優の肩書を取得した川栄李奈も、Hey!Sey!JUMPの山田涼介と共演の「親愛なる僕へ殺意をこめて」で民放ドラマに復帰。期せずして同時期にジャニーズ俳優と共演する2人の朝ドラ女優。真価が問われるのはこれからだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間