本多正識
著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

芸人→弁護士目指した角田龍平 司法試験に落ち続けた日々を支えた“師匠”オール巨人の言葉

公開日: 更新日:

 励みになったのは、4回目の司法試験に落ち、弟子を辞めて以来、顔を出していなかった巨人師匠の誕生日会。

「師匠から“君ならやれる”と言っていただいた時に、合格せずに諦めたら師匠に合わせる顔がなくて、もう会えないと思いましたね。あの一言は勇気を頂きました」と辞めてなお続く“師弟関係”に思いを馳せたと言います。

 もうひとつはお母さんの言葉。ある時「今年落ちたら公務員試験でも受けようかと思ってる」と言うと「あんた、信用失うで」と一言。これは「漫才を諦めて、司法試験も諦めたら、自分を信用できなくなるで」という意味に受け取って、もう一度自分に活を入れたそうです。

 そして、9回目の挑戦で合格した時、電話でお母さんに泣きながら「長い時間かかって迷惑かけて、ごめんなさい。ありがとう!」と伝えたそう。「親に素直にゴメンとありがとうが言えたのは最初で最後です」と照れ笑いしていました。

 最後に「漫才への未練」を聞いたところ、新人時代には自分の方が勝っていた仲間が、時を経て、相方を代え、ブラックマヨネーズになり、M-1の優勝漫才を見た時に「もし漫才を続けていてもこんな領域には絶対到達できない。くすぶっていた漫才を辞めなければ良かったという気持ちが完全に消えてなくなりました」と語っていました。

 テレビにラジオに文筆活動に、仕事の幅を広げながらも地道な弁護士活動も続ける角田君。これから先も地に足をつけていろんなことに挑戦しながら新たな道を開拓していくことでしょう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    水原一平様には「ラウンダーズ」を…「勝負を始めて30分でカモを見つけなければ自分がカモになる」

    水原一平様には「ラウンダーズ」を…「勝負を始めて30分でカモを見つけなければ自分がカモになる」

  3. 3
    「嵐」新会社設立で企業はCM契約に虎視眈々も…故ジャニー喜多川氏との“広告料の約束事”はどうなる?

    「嵐」新会社設立で企業はCM契約に虎視眈々も…故ジャニー喜多川氏との“広告料の約束事”はどうなる?

  4. 4
    眞子さんが小室圭さんと手にした“40平米の自由”…ジーンズにTシャツの質素な装いがメインに

    眞子さんが小室圭さんと手にした“40平米の自由”…ジーンズにTシャツの質素な装いがメインに

  5. 5
    変わるグラビア業界の勢力図 老舗の大手事務所は破産、新興勢力が躍進

    変わるグラビア業界の勢力図 老舗の大手事務所は破産、新興勢力が躍進

  1. 6
    村雨辰剛さんが語る愛猫メちゃんとの日々「ともに自立して生きている 距離感が心地よい」

    村雨辰剛さんが語る愛猫メちゃんとの日々「ともに自立して生きている 距離感が心地よい」

  2. 7
    リプトン「イエローラベル」vs日東紅茶「デイリークラブ」 味比べ&意外にもそれぞれ入れ方が違う

    リプトン「イエローラベル」vs日東紅茶「デイリークラブ」 味比べ&意外にもそれぞれ入れ方が違う

  3. 8
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

  4. 9
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較