著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

芸人→弁護士目指した角田龍平 司法試験に落ち続けた日々を支えた“師匠”オール巨人の言葉

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角田龍平の巻(下)

 大学に通いながら1年間オール巨人さんの弟子に付いていた角田君でしたが、巨人さんほか先輩方との才能の違いを目の当たりにして“憧れ”が“絶望”へと変わり、漫才師への夢を諦めることに。師匠たちが許してくれる大義名分のため、次の目標に掲げたのは“弁護士になること”でした。

 巨人師匠に告げると「そんなもん簡単になれるか? アホちゃうか?」ではなく「どんな仕事に就いても君は一生僕の弟子やから、頑張りなさい」と温かく励まされ、「3年間は絶対辞めるな!」と言われていた紳助さんにも「せっかく、知り合えたんやから(漫才を)諦めても遊びに来いよ」とこれまた温かい言葉で送り出されたのでした。 

 私も何の根拠もありませんが「この子ならなれるんちゃう?」と素直に感じていました。高校生の時にテレビ番組で150組の中から優勝し、紳助さんに「天才や!」と言わしめたオーラを角田君は持っていたからです。大学で猛勉強を続け、最初の3年間は「次は(来年は)いける」という感触があったそう。

 ところが、4年目からの3年間はどんどん成績が落ちて迷走。「(当時の記憶が)ホンマにない。嫌な記憶は自分を守るために消してしまういうのん、ホンマですね!」としみじみと話していました。私も17歳からの7年間の闘病・療養生活の記憶が飛び飛びで消えているところがあるので、この気持ちはすごくよくわかります。

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