初動興収21億円超! 宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」の“宣伝ゼロ作戦”は現代へのアンチテーゼか

公開日: 更新日:

1回しか使えない「奇策」

 今回の“宣伝ゼロ作戦”について、映画ライターの金澤誠氏は「1回しか使えない奇策」としてこう続ける。

「この手法が通用するのはジブリのブランド力あってこそ、かつ、1回しか使えない。今までは事前プロモーションやパンフレットで、この作品はこういう作品です、こういうふうに見てください、というガイドラインが与えられていました。それがリセットされ“映画ってどうやって見るんだっけ?”と、解釈に迷った観客が“難解”と評している可能性も高い。“食べログ人気店だからおいしいはず”というように自分の感受性を放棄してしまう現代への問いかけもあるのでしょう。

『もののけ姫』では製作宣伝費10億円をかけて120億円の利益を得ましたが、今回宣伝費をかけずに興収を挙げている時点で利益としては成功なのかもしれません。ただ、ジブリ人気を支えているのはリピーター。『千と千尋の神隠し』は半年のロングランでしたし、何度も見に行ける作品かどうかが重要。“難解”という言葉がどう影響するのか、新たなムーブメントが起こせるかどうか今後も注目すべきでしょう」

 ズバリとハマった鈴木Pの奇策。二の矢、三の矢もありそうだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です