メスの繁殖犬を引き取ったら確認すること
里親の会などからワンちゃんを譲り受けることは少なくありません。先日、当院に連れて来られたのは繁殖犬を引退したメスで、飼い主さんの要望は避妊手術でした。
里親の会などの譲渡条件として、譲渡後は一定の期日までに避妊や去勢の手術を済ませ、その手術完了証明書の提出を義務づけることがよくあります。オスはいつでも手術できますが、メスは発情サイクルを見極め、卵巣が休んでいる発情休止期に行うのがベスト。
しかし、里親会の中には、そのサイクルを無視して「すぐに」というケースもありますが、当院では前述の事情を説明して、ベストなタイミングで手術を実施するようにしています。今回も早期手術を言われたようですが、診察すると偽妊娠期で乳腺が腫れ、外陰部から粘りのある分泌物が多少尿とともに排泄されていました。
これらの症状はこの時期によくありますが、ネットで検索すると、別の子宮蓄膿症や子宮粘液症がヒット。心配されていたようです。元気で食欲があれば、問題ありません。発情休止期まで待って手術した方が安全であることを伝えました。