ブーム広がる「かき氷」介護現場でも注目…“最後の晩餐”になる日も?
昭和世代にかき氷といえば、ブルーハワイやイチゴ、メロンなどカラフルなシロップをかけて食べる氷菓子としておなじみだろう。平成、令和と時代は移り変わり、たくさんの果物や天然のソースをあしらった専門店が増える一方、昭和のかき氷器が復刻されるなど、かき氷ブームが広がっている。
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いま、かき氷をめぐって熱い戦いが繰り広げられているのが、愛知県の西尾市と蒲郡市だ。
歴史ある街並みで三河の小京都として知られる西尾市は抹茶が特産で、三河湾に面する蒲郡市は水産業はもちろん果物の生産も盛ん。そんな隣り合う2市にある合計55店のかき氷店が参加して「MIKAWAdeかき氷総選挙」が行われている。
西尾の35店は多くが抹茶をメインに据えるのに対し、蒲郡の20店は特産のフルーツで勝負する。それぞれの特産を生かしたかき氷がズラリ。いずれも見て楽しく、食べてひんやりとおいしい。参加者は9月30日までこれらを食べ歩きながら酷暑をしのぎ、「これは」という店に投票。投票数、おいしさ、そして見た目の映え度の3部門に分けてそれぞれの順位を決める“夏の総選挙”だ。
暑い街として知られる埼玉県熊谷市は、ご当地かき氷「雪くま」が夏の風物詩で、かき氷ファンのゴーラーが集まるかき氷の聖地。この夏は、乳製品などを扱う明治とタッグを組み、ヨーグルトを使用した独自の「雪くま」を提供している。
アラフィフの昭和生まれにとってかき氷は削り出した氷にカラフルなシロップをかけただけのシンプルなもので、縁日なら300円ほどだった。シロップの青や赤などが舌に色濃く残って、友達同士見せあったものだ。
そんな昔ながらのかき氷ももちろんあるが、専門店も出店ラッシュで1杯1000円超えは当たり前。氷のふわふわした食感とともに、ふんだんにフルーツが使われ、2000円台も珍しくない。高級スイーツといっても過言ではないが、町おこしにも一役買っているのがかき氷だ。