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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

苦節の悲壮感を漂わせず迎えたサルゴリラ児玉智洋の「最高の1日」

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 パンサー向井が「3組の中で『キングオブコント』の決勝に一番近いのは、ジューシーズだなって、なんとなく感じていて」(CBCラジオ「#むかいの喋り方」23年10月3日)と振り返るように、当時からネタの面白さに定評があった。しかし、先に売れたのはパンサーやジャングルポケット。ジューシーズは解散した。

 そんな状況でも2人は常に楽しそうだったと向井は言う。その向井と児玉は又吉直樹とルームシェアをしていた。収入に応じて家賃が決められ、後輩の向井が10万円に対し、児玉は5万円。「5万さん」とイジって呼ばれても、卑屈になることは一切なく、やはりずっと楽しそうだったという。又吉と向井は、そんな児玉のコント王者戴冠を「リビングの怪物からコントの怪物へ」と表現し、称えた(NHKラジオ第1「又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間」23年10月23日)。

 サルゴリラには、苦節の長い芸人に漂いがちな悲愴感がほとんどない。「売れる」「売れない」ではなく、大好きなコントをやれる。それだけで楽しかったのだ。だから、彼らは幼馴染みの関係性のまま仲がいい。冒頭の番組では、決勝当日のスケジュールが児玉によって明かされていた。

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