著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

NHK朝ドラ「ブギウギ」ヒロイン趣里には3つの“ストロングポイント”がある

公開日: 更新日:

 大阪編から東京編になって、はや3週間。NHK連続テレビ小説「ブギウギ」がますます面白くなってきた。

 大阪編。ヒロイン・スズ子の少女時代を演じていた澤井梨丘は、よくぞこんなにそっくりな子を見つけてきたなというくらい趣里にそっくりで、おまけに達者な演技と歌に圧倒され、登場前からすっかり子役に食われた感の趣里、線も細いし、大丈夫かと心配だった……。

 だが、まったくの杞憂で、あの華奢な体のどこにそんな力が秘められているのか驚かされるほどパワフル。とくにダンスはお手のもの。4歳からクラシックバレエを習い、イギリスにバレエ留学までしていたというから、当然といえば当然だが、難しいのはスズ子としては最初からそんなにうまく踊れないというところ。本当はうまいのにぎこちなく踊るというのは逆に難しかったのではないかと察する。その分、東京編で「ブギの女王」になってからは歌って踊るパワフルなパフォーマンスをここぞとばかり見せている。

 歌については当初「あまり得意ではない」と何かのインタビューに答えていた。確かに声は透明感があるが、女王と言われるほどのインパクトがあるかどうかは未知数。

 主題歌「ハッピー☆ブギ」にも参加しているが、これも当初は中納良恵、さかいゆうで歌う予定だった。しかし、作詞・作曲を手掛けた服部隆之が趣里の成長ぶりを見て、3人で歌うことを決めたというから、相当のびしろがあったのだろう。

 実際、UGD(梅丸楽劇団)の舞台で、スズ子がデビュー曲「ラッパと娘」をフルコーラスで歌い切る場面では思わずテレビの前でスタンディングオベーションしそうになるくらい圧巻! そして翌週失恋を経験したあとの「センチメンタル・ダイナ」で歌声から、さらに成長が感じられるほどだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  4. 4

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  5. 5

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  3. 8

    創価学会OB長井秀和氏が語る公明党 「政権離脱」のウラと学会芸能人チーム「芸術部」の今後

  4. 9

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  5. 10

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった