東京15区補選を戦い終えた須藤元気さんに聞いた 格闘技、俳優、政治家としてのターニングポイント

公開日: 更新日:

 4月28日に激戦の東京15区補欠選挙にも出馬した須藤元気さん(46)。格闘家、芸能人、政治家として幅広く活動してきた中でのターニングポイントを聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──フリーの立場で立候補した補欠選挙についてお聞かせください。

 金権政治の閉塞感を打ち破りたかった。次は勝ちます。

 ──元々は格闘家として総合格闘技とK-1のリングで大活躍されました。ターニングポイントは?

 今までいろんな瞬間がありました。3つ挙げます。まず1999年、プロの格闘家としてのデビュー戦に勝てたというのが最初のターニングポイントでした。デビュー戦から入場セレモニーをド派手にしたので「デビュー戦に勝たないと色モノで終わっちゃう」と不安でしたから、勝てた時はホッとしました。

 もっと大きなターニングポイントはデビュー戦から半年ちょっとで東京ドームで試合ができたこと。僕はデビュー前からイメージトレーニングをずっと行ってきたんです。毎晩寝る前に瞑想し、将来の自分を思い描く。その中に東京ドームで試合をする自分もイメージしてきました。

 それがすぐに実現したので「自分の思いがしっかりイメージできたら夢はかなう」と実感しました。イメトレはその後も続けて、やりたいことを実現させています。

 その東京ドーム大会が「コロシアム2000」で、メインイベントが船木誠勝さんとヒクソン・グレイシー。僕は第2試合でした。

 3つ目はK-1のデビュー戦。キックボクシングのK-1に進出したのは「テレビに出られる」という不純な動機もあったんです(笑)。当時の僕は強くなることの他に、とにかく有名になるという目的も持っていたので、大人気のK-1に挑みました。

 ですが、僕はレスリングと柔術をやってきましたから、打撃系はまったく経験なし。今思えば格闘家としての一番大きな分岐点でしたよ。だってどうやっても勝ちようがないんですから(笑)。競技的にはテニスバドミントンくらい違うんじゃないですかね。

■K-1では「変幻自在のトリックスター」と言われ注目された

 試合までの練習期間が3カ月しかなく、キックボクシングのジムに出稽古に行くと白い目で見られました。K-1はデカイ会場でゴールデンタイムのテレビ中継があるから、みんな出たいじゃないですか。そこにキック未経験の僕がいきなりチャンピオンを決めるトーナメントに出て小比類巻選手と闘うわけですから妬まれますよね。

 指導してくださった方からは「真っ向から挑んだら勝てるわけない」と言われ、体を反転させてのバックブローを提案されました。

「クルクル回れば、相手はカウンターとれないから」と。そればかり練習したのでトリッキーな攻撃になりました。自分にはあの攻め方しかなかった。それが僕のオリジナルの動きになり、「変幻自在のトリックスター」と言われるようになったんです。普通とは違うことをやるのは闘いの基本かもしれませんね。

 K-1デビュー戦では負けたもののダウンを奪えましたし、僕のファイトスタイルがウケたみたいで、視聴者から「なんだあいつは?」と注目されました。

 試合の翌日に東映のプロデューサーから連絡がきまして「テレビを見た監督からの依頼で、映画のメインの3人組の1人で出てもらいたい」と。それが窪塚洋介さん主演の「凶気の桜」(2002年)でした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

  2. 2
    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

  3. 3
    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  4. 4
    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

  5. 5
    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

  1. 6
    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

  2. 7
    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

  3. 8
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 9
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10
    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」

    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」