【特別対談】南野陽子×松尾潔(1)「同学年の人が今も活躍していることがうれしい」

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■実際、ガツガツしてる感じが皆無でしたもんね(松尾)

松尾 実際、ガツガツしてる感じが皆無でしたもんね。だからかもしれないけど、デビューのときはスタートダッシュって印象が薄いんだよなあ。

南野 一応、少年マガジン、デラックスマガジン、キリンレモンのCM、とあったけど、新人賞レースには引っかからなかった。というのも、そこまで期待されてないというか、私はCBSソニーだったんですけど、当時のソニーは「ミスセブンティーン」の開催直後だったので、この年のキラキラ一押しは松本典子ちゃん。

松尾 松本典子さん! 笘篠(賢治)選手と結婚された。

南野 それに「東宝シンデレラ」があって「ホリプロスカウトキャラバン」があって、この年からおニャン子クラブまで始まったりしたから「一人くらい毛色の違う子がいてもいいか」、みたいな感じで。

松尾 その時代なんですね。

南野 デビューシングル「恥ずかしすぎて」をリリースしたのが1985年6月23日で、その日は池袋西武と山野楽器でデビューイベントをやったんですけど、翌日が松田聖子さんと神田正輝さんの結婚の日だったんです。聖子さんもCBSソニーだったから、スタッフが全員そっちの準備やら手伝いやらに駆り出されてしまって、私のデビューイベントにソニーの人は誰も来なかった(笑)。

■当時のアイドルは結婚が早い。私も長くやれるとも思わなかった(南野)

松尾 しかし、それを思うと、当時のアイドルって結婚が早いですよね。聖子さんだって当時でまだ23歳とか?

南野 そうそう、山口百恵さんが21歳、石野真子さんも20歳で結婚したし、当時のアイドルは結婚が早いんです。だから、私もそれほど長くやれるとも思わなかったです。

松尾 そういう時代ですよね。

南野 当時は自分も含めて、アイドルって女子高生ばっかりでしょう。「すみ分け」って言ったら変だけど、自分がその中でどう見られているか、イメージを思い描きながら、どことなく客観視していましたね。

松尾 ほうほう例えば?

南野 例えば、菊池桃子ちゃんは「ブレザーの制服を着て一生懸命授業を聞いている女子高生」みたいな。

松尾 あー、わかる。

南野 おニャン子クラブは「休み時間に、複数で一緒にお手洗いに行く女子高生。その中にヤンキーみたいな子もいる女子高生」みたいな(笑)。

松尾 それもわかるな。では、南野さんは?

南野 私は「家に帰って来て、宿題は気になっているんだけどなかなかやらなくて、テレビの再放送を見ながら、弟にブツブツ文句を言っている女子高生」(笑)。

松尾 というか、それ実話でしょう?(笑)。

南野 まあ、否定はしないです(笑)。=【第2回】につづく

(構成=細田昌志 取材協力=新宿「風花」)

▽みなみの・ようこ 1967年6月23日生まれ、兵庫県出身。85年「恥ずかしすぎて」でデビュー。主演ドラマ「スケバン刑事Ⅱ」で注目され、歌手、女優として活躍。伝説の歌番組「ザ・ベストテン」(TBS系)への出演映像を収録したブルーレイBOX「南野陽子ザ・ベストテンコレクション」が発売中。

▽まつお・きよし 1968年1月4日生まれ、福岡県出身。早大卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。近著「おれの歌を止めるな」(講談社)が発売中。

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