ホラー+太極拳…映画「サユリ」を見逃すな! 根岸季衣がパワフルな老婆を快演

公開日: 更新日:

 8月23日に公開される、白石晃士監督の「サユリ」。これは押切蓮介原作のホラーコミックを映画化したものだが、単なるホラー映画だと思ったら大間違い。ホラーはもちろん、青春映画、太極拳アクション、さらにはパワフルなシニアが活躍する一大エンターテインメント作品である。

 物語は中古の一軒家に神木家の家族7人が引っ越してくるところから始まる。やがて不思議な少女の笑い声が聞こえ始めて、家族のうち5人が不審な死を遂げる。残されたのは認知症の進行が激しい祖母の春枝と、中学生の孫・則雄。この辺までは正統派のホラー。ところがここで春枝が覚醒。前から家に住み着く霊のサユリが見えていた彼女は、則雄と共にサユリへの復讐を誓い、得意の太極拳も駆使して悪霊に立ち向かっていく。

 たばこをすぱすぱ吸い、髪形もレゲエ調にして、悪霊の前でも豪快に鍋を食らう春枝は、「生きている者の生命力の強さこそが、死んだ霊に対抗できる」と則雄に説き、霊を怖がらず、笑い飛ばして、心の弱さに付け込まれる隙をつくるなという。神の力を持ち出すオカルトホラーとは違い、生きる者のパワーを武器にするところが明快で面白い。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…