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古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【昆虫】いまも20億人以上が食す…環境に優しい重要なタンパク源

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 コオロギを使ったクッキーやパン、プロテインバーなども登場し、「未来の食べ物」として話題になることも多い昆虫食。昆虫を食べることに驚く人も多いかもしれませんが、じつは人類にとってはとても身近で古い食文化のひとつです。

 世界では現在も約20億人が昆虫を日常的に食べているといわれています。アジアやアフリカ、中南米では重要な栄養源であり、日本でも長野県などの山間地域ではイナゴの佃煮や蜂の子が古くから食べられてきました。肉や魚が手に入りにくい環境の中で、身近に得られる貴重なタンパク源として活用されてきた生活の知恵といえるでしょう。地域の自然環境と食文化の関係を考える上でも興味深い例ですよね。

 近年、昆虫食が再び注目されている背景には環境問題があります。昆虫は少ない飼料と水で育ち、温室効果ガスの排出も少ないため、環境負荷の低い食料として期待されています。世界的な人口増加に伴う食料不足への対策としても研究が進められていて、「持続可能なタンパク源」という観点から関心が高まっています。

 栄養面の特徴も興味深いです。たとえば、コオロギは良質なタンパク質が豊富で、鉄や亜鉛、ビタミンB群などの栄養素も多いです。ミールワームは脂質や必須脂肪酸を含み、効率的なエネルギー源となることが知られています。バッタやイナゴなどもタンパク質やミネラルが豊富な栄養密度の高い食品とされています。また、昆虫の外骨格に含まれるキチンは食物繊維として働き、腸内環境に影響する可能性が報告されています。実際にコオロギ粉末の摂取によって腸内細菌の変化が見られたというヒト研究も!

 時間栄養学の視点から見ると、タンパク質の摂取は筋肉の維持や代謝の調整に関わるため、朝や活動時間帯に取り入れることで体のリズムを整える助けになる可能性があります。今後、昆虫由来タンパク質がどのように生活リズムの改善に活用できるかという研究も期待されています。

【連載】時間栄養学的「気になる食品」

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