いろんな意味で「TOKIO」をヤバい曲にしたのは沢田研二の甘過ぎる歌声だ
「作詞・阿久悠、作曲・大野克夫」という名コンビの作風が「アラサー」の沢田研二にぴったり合っていたのだろう。そしてそれは30歳になった年(78年)の「ヤマトより愛をこめて」と「LOVE(抱きしめたい)」に極まる。哀愁漂うバラードを歌い上げる、上手くて、甘くて、さらには、太くて、つややかなボーカル──。
しかし、そんなボーカルは、よく考えたらニューウェーブ的価値観の真逆ではないか。だから、そんな声で歌われる「TOKIOが空を飛ぶ」はミスマッチだ。本来なら、もっと下手で、軽くて細い声の方がふさわしいと思う。
例えば誰だったらふさわしかったのかと聞かれれば、例えば男性なら当時の近田春夫、女性なら当時のシーナ&ザ・ロケッツのシーナを推したい。あんな声だったら、真の「ニューウェーブTOKIO」が成立する。
しかし、である。沢田研二の声がミスマッチだったからこそ、良かったとも思うのだ。だって、ミスマッチこそがヤバいのだから。危険を感じてハラハラするような、かっこよさが漂うのだから。




















